2013年8月20日火曜日

道端の薬草(13) キカラスウリ?


 市民会館脇の小さな空地で撮影しました。多分キカラスウリだと思います。

 キカラスウリ(Trichosanthes kirilowii var. japonica)は、ウリ科の植物で、つる性の多年草です。北海道奥尻島、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山野や人家近くの土手などにはえます。葉は切れ込みが入ったハート型で、表面は光沢をもち、葉の表面に多数の短毛を持ちます。雌雄異株で、ひとつの株には雄花か雌花かのいずれかのみがつきます。花期は8月〜9月で、夏の夕方、レースのような白色の華麗な花が咲き、日中には閉じます。果実は広楕円形で長さやく10cm。紅熟して晩秋まで蔦に残ります。

 キカラスウリの根は栝楼根(カロコン)という生薬(日本薬局方に記載)で、種子は栝楼仁(カロジン)といいます。
 牧野和漢薬草大図鑑には、”栝楼仁には抗癌作用があることが報告されている。根に止渇、解熱、催乳、鎮咳など、種子に解熱、去痰、鎮咳などの作用が認められており、解熱、止渇、消腫薬として咽喉痛、呼吸器病の解熱、口渇、去痰などに用いられる”、と記載されています。
 野外植物民俗事苑には、”果実はそのままで食用になるが、ヒシオ漬けや塩漬けにもし、化粧用にする”との記載があります。
                           記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物民俗事苑

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