2013年4月27日土曜日

定禅寺通りの春(4) タンポポ


2013年4月17日 勾当台公園 撮影:阿部俊暢

勾当台公園の噴水脇で撮影しました。萼の形などから多分西洋タンポポだと思います。

1.タンポポ
タンポポは、キク科タンポポ属(Taraxacum)の総称です。
タンポポ属は、多年草約60種類が、北半球と南半球に分布しています。英語名はダンデイライオン。フランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド=リオンに由来するが、これはギザギザした歯がライオンの牙を連想させることによります。特にフランスでは野菜として栽培されており、19世紀には品種改良が行われました。
 日本には古来から生育していた在来種と、外来種が生育していますが、一般的に見られるのは外来種のセイヨウタンポポ(Taraxacum officinal)です。セイヨウタンポポは、明治初期に北海道にサラダ菜として導入したものが繁殖したものともいわれています。
 ワタンポポ(在来種)は代表的なカントウタンポポ(アズマタンポポ:Taraxacum platycarpum)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonikumu)、シロバナタンポポ(Taraxacum albidum)など、地方により多くの種類があります。


2.タンポポの利用
 セイヨウタンポポの葉は古くからヨーロッパや中東で食用として利用されており、多少の苦味があるが、サラダなどにします。英国王立園芸協会のハーブ大百科には、”生の葉は普通湯通ししてサラダにするか、ホウレンソウのように料理する(酸味のある野菜と混ぜることが多い)。花びらはワインにする。葉と根はハーブビールの香味料に使用する。”と記載されています。最近はタンポポの根を炒ったもが、ノンカフェインのヘルシーコーヒーとして人気です。


3.タンポポの薬用利用
 タンポポは、肝胆道の症状の治療に多くの医療システムで伝統的な使用の長い歴史を持っています。 根は伝統的に肝臓や脾臓の病気治療に使用されています。アラビアの伝統医学での使用は、最初は西暦十世紀に記載されています。 タンポポの根は、 米国国民医薬品集で以前は公式であった歴史があり、現在でも 、オーストリアとチェコ共和国の国家薬局方、また、 アーユルヴェーダ薬局方、英国ハーブ薬局方、英国ハーブ大要、ドイツコーデックス薬局方、ドイツ標準ライセンス、およびコミッションEなどで公式です。

 北米先住民の医学でも、腎臓病、水腫、および皮膚病症状、胸焼けを治療するため、血の強壮剤、消化不良の治療根の浸剤、胃の痛みの治療などのために様々な部族により使用されてきました。
 漢方では、全草は蒲公英(ホコウエイ)、根は蒲公根(ホコウコン)という生薬で、健胃、利尿、催乳などで使用されています。牧野和漢薬草大図鑑には、生薬名蒲公英(ホコウエイ)で、カントウタンポポ、カンサイタンポポ、シロバナタンポポ、モウコタンポポ(中国産)、セイヨウタンポポの5種類が記載されています。


参考資料
フリー百科事典『ウイキペデイア(Wikpedia)』
英国王立園芸協会 ハーブ大百科
牧野和漢薬草大図鑑
ABC(アメリカ植物評議会)Web     

2013年4月24日水曜日

仙台市西公園の春(2)レンギョウ

場所:西公園 月日:2013/4/15 撮影者:阿部俊暢

 西公園の旧市民図書館跡付近で撮影しました。多分レンギョウだと思います。
レンギョウ(連翹)とは、広義にはモクセイ科レンギョウ属( Forsythia属)の植物の総称です(それらから品種改良で作られた園芸品種をも含める)。狭義には、レンギョウ属の種の一つ、学名 Forsythia suspensa の和名を指します。
 狭義のレンギョウ(連翹、学名: Forsythia suspensa  Vahl)は、モクセイ科レンギョウ属の落葉性低木広葉樹です。中国名は黄寿丹。英名はゴールデンベル (golden bells, golden bell flower)です。中国原産ですが、古くは『出雲風土記』や『延喜式』にもレンギョウの名前が見られ、薬用として平安時代初期に渡来したといわれています。しかし江戸時代だという説もあり、実際に渡来した時期は定かではないようです。

薬用利用
 レンギョウ(Forsythia suspensa  Vahl)および近縁種のシナレンギョウ(Forsythia viridissima Lindl)の実は生薬名を連翹という漢方の生薬で日本薬局方にも記載されています。解毒、排膿、消炎、利尿薬として用いられ、駆風解毒湯、荊芥連翹湯などに処方されています。リグナン類、カフェ酸誘導体などを含みます。(最新薬用植物学:廣川書店より)牧野和漢薬草大図鑑には、グラム陽性最近に対して強い抗菌作用を持つとも記載されています。
 英国王立園芸協会のハーブ大百科にも、レンギョウはなじみのある庭木であり中国の漢方薬でもあると記載されています。19世紀にヨーロッパに紹介され広く栽培されています。”利用部位は実、苦い収斂性のハーブで、神経系統、心臓、胆嚢の刺激、利尿、解熱、最近除去作用がある。含まれるビタミンAは末梢血管を強化する効果がある”と記載されています。
       
参考資料
 *最新薬用植物学:廣川書店
 *英国王立園芸協会 ハーブ大百科:誠文堂新光社
 




2013年4月20日土曜日

定禅寺通りの春(3) ハナニラ?



 この写真も先日ご紹介した三越前の定禅寺通り中央緑地で撮影しました。スイセンのとなりに群生していました。葉の形などから多分ハナニラの品種だと思います。ちょっと、花びらの形が一般の写真とは違うので他の種類かもしれません。
ハナニラ
(花韮、学名:Ipheion uniflorum (Lindl.) Raf. )は、APG植物分類体系第3版でヒガンバナ科(APG植物分類体系第2版ではネギ科、古い分類のクロンキスト体系ではユリ科)に属するハナニラ属の多年草です。イフェイオン、ベツレヘムの星とも呼ばれています。原産地はアルゼンチンの球根植物です。葉は地面に広がり、傷付けるとニラのような臭気があります。セイヨウアマナとも呼ばれています。春に白から薄紫の花を咲かせ、美しいので花壇などで栽培されるが、強健であるので温暖な地域では雑草化していることもあります。 

参考:
フリー百科事典 ウイキペデイア 日本版
岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 植物生態研究室(波田研)ホームページ

2013年4月17日水曜日

定禅寺通りの春(2) スイセン


 先日ご紹介した、三越前の定禅寺通り中央緑地で撮影しました。クリスマスローズのとなりに咲いていました。

水仙(スイセン)
 スイセン属(Narcisus)はヒガンバナ科の属のひとつです。この属にはラッパスイセンやニホンズイセンなど色や形の異なる品種が多くありますが、この属に含まれるものを総称してスイセンと呼んでいます。属名のナルシスは、ナルシストの語源でもあるギリシャ神話の美少年ナルキソスの話に由来します。
 原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域から、アフリカ北部まで分布し、原種は30種ほど知られています。日本においては、ニホンズイセンが古く中国を経由して渡来したと言われています。分布は、本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られます。越前海岸の群落が有名です。宮城県では、蔵王の烏帽子スキー場の スイセンが有名です。
 烏帽子スキー場のWeb:http://www.eboshi.co.jp

 スイセンは有毒植物で、毒成分はリコリン、シュウ酸カルシウムなどです。全草が有毒ですが、鱗茎(球根)に特に毒性分が多く含まれています。致死量は10gといわれています。食中毒症状と接触性皮膚症状を起こします。葉がニラに似ており、間違えて食べ食中毒を起こすという事件が時々報告されています。

 スイセンの根を水仙根、花を水仙花といい、薬用として利用されています。水仙根は外用薬としてできものなどに用いられているようです。牧野和漢薬草大図鑑には、”生の鱗茎を金属製以外のおろし器ですりおろした汁に小麦粉を加えてクリーム状にしたものを患部に直接塗布し、ガーゼで抑える。内服してはいけない。”と記載されています。


毒性成分のリコリンは、ヒガンバナ科の植物(ヒガンバナ、スイセンなど)に含まれるアルカロイドで、嘔吐作用があり、大量に摂取すると死亡します。

参照
フリー百科事典:ウイキペデイア
牧野和漢薬草大図鑑
埼玉県薬剤師会ホームページ 
ほか


2013年4月13日土曜日

仙台市西公園春の植木市とアセビ


 今年も4/6(土)〜4/29(祝日)まで、毎年恒例の仙台市西公園春の植木市が開催されています。以前ほどは盛況ではありませんが、会場の中央にはモデルガーデンがせ設置され、庭園樹,草木,草花,種子,球根,山野草,などいろいろな植物が販売されます。
 下の写真はモデルガーデンのアセビです。見事なので撮影しました。花の色がピンクなので、多分園芸品種だと思います。


 アセビ(馬酔木 Pieris japonica subsp. japonica、異名:Andromeda japonica Thunb.[1])は、ツツジ科の低木で日本に自生し、観賞用に植栽もされています。あしび、あせぼなどとも呼ばれています。
本州(宮城県以南)、四国、九州の山地に自生する常緑樹で、樹高は1.5mから4mほどになります。早春になると枝先に複総状の花序を垂らし、多くの白くつぼ状の花をつけます。
 アセビはレンゲツツジなど他のツツジ科の植物と同様に有毒植物です。アセビの葉を噛んでみると舌がしびれます。アセビ(馬酔木)の名は、馬が葉を食べれば毒に当たり、酔うが如くにふらつくようになる木という所からついた名前であるとされています。 有毒成分はグラヤノトキシンI(旧名アセボトキシン)といいいます。
 葉茎の粉末や煎汁は、うじ殺し、家畜の皮膚寄生虫駆除などに利用されています。毒性は強烈なので注意が必要です。




2013年4月10日水曜日

定禅寺通り中央緑道の花壇の模様替え。マリーゴールド?


 当店(定禅寺ハーブギャラリー)の前の定禅寺通り中央緑道の花壇も、春の模様替えです。写真はキンセンカ(学名:Calendula officinalis)です。カレンデュラ、ポットマリーゴールドともいいます。マリーゴールドの名は、一般的には、同じように花壇に植えられるフレンチマリーゴールド(学名:Tagetes patula)を指す場合が多いので混同しないよう注意が必要です。
 キンセンカは、キク科の植物で、原産地は地中海沿岸。北アメリカ、中央アメリカ、南ヨーロッパなどで広く栽培されています。日本では観賞用として花壇などに植えられていますが、ヨーロッパでは、原種は伝統的なメデイカルハーブの1つであり、また、エディブル・フラワー(食用花)として食用にされます。キンセンカの軟膏は、火傷からにきびまで幅広い皮膚のトラブルの治療薬として古くから使用されています。


 西欧では、歴史的に、 "貧乏人のサフラン"として知られ、食品中の着色と香味剤として、特にスープや米料理に使用されました。ヨーロッパの民俗医学のヒーラーは、月経を誘発し、発熱時に汗を出し、黄疸(皮膚が黄色くなる)を治すために、浸剤(テイー)、抽出物、花びらの軟膏を準備しました。19 世紀のアメリカでは、カレンデュラは、内用として、肝臓の問題、胃の潰瘍、結膜炎(瞼の裏側の粘膜の炎症)を治療するために、外用として、火傷、あざ、傷の治癒を早めるために使用されていました。伝統的に、花はまた、外用として、消毒薬として、出血を止めるために使用されました。

 ドイツコミッションE(ドイツ植物委員会)は、口やのどの粘膜の炎症を治療する際のカレンデュラフラワーの内用及び外用両方の使用について承認しています。また外用として傷の治癒のための使用が承認されています。ハーブ浸剤、チンキ、軟膏は皮膚、咽頭炎(のどの炎症)などの粘膜の炎症、下腿潰瘍、うちみ、できもの、発疹に使用されています。

 キンセンカの花で作られた軟膏は、乳首のひび割れや過敏に伴う痛みの緩和に有効です。抗ウイルスと免疫刺激効果の可能性も報告されています。傷の治癒を支援し、炎症や軽いやけどをなだめるその治療活性の可能性についても調査がなされています。最近の研究では、キンセンカ種子のcalendic酸成分を調査し、それが抗酸化特性を持っていることが判明しています。

参考資料
*ABC(米国植物評議会)Web  ドイツEコミッションモノグラフ、拡張モノグラフより
 




2013年4月6日土曜日

定禅寺通りの春(1)クリスマスローズ?



 三越前の定禅寺通り中央緑地で撮影しました。この場所は前にもご紹介しましたが、不思議な場所で、管理しているようには見えないのに季節により様々な植物が見られます。近くにグリーンハウス勾当台があるので、それと何か関係があるのかもしれません。
 写真はクリスマスローズの品種だと思います。
 クリスマスローズ(ヘレボルス(Helleborus))はキンポウゲ科のクリスマスローズ属に分類される植物の総称です。「クリスマスローズ」という呼称はクリスマスのころに開花する「ヘレボルス・ニゲル」だけを指した呼称ですが、日本の園芸市場ではその他の「レンテン・ローズ」と呼ばれる「ヘレボルス・オリエンタリス」なども「クリスマス・ローズ」の名前で出回っています。「クリスマスローズ」という呼称は、「イギリスのクリスマス」に開花するという意味ですが、多くの品種は、クリスマスのころではなく春に開花します。
 15の原種のほとんどが、東ヨーロッパからバルカン半島からトルコ、シリアに自生しており、20世紀後半に品種改良が主にイギリスで進められました。利用はもっぱら鑑賞用だけのようで、他の利用については見つけることができませんでした。
 





2013年4月3日水曜日

勾当台公園の噴水とハト



 まだ、寒いですが再開された勾当台公園の噴水で撮影しました。最近はすっかり悪者になり、数も少し減ったような気がするハトの水浴びです。餌をとっているのかもしれません。
 鳩(はと)は、ハト目・ハト科に属する鳥類の総称です。日本に生息する鳩には、アオバト、カラスバト、キジバト、シラコバト、ドバトなどがあります。 このうちドバトはカワラバト(学名:Columba livia)の飼養品種が再野生化したものとされています。カワラバトは本来ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカなどの乾燥地帯に生息する鳥ですが、食用や伝令用として家禽化され(約10000年〜6000年前といわれています)、それが伝書鳩やレース鳩としてなどとしても利用されたほか、愛玩用の品種も多数作られ現在にいたっています。日本には奈良時代には既に持ち込まれていたと言われています。
 西洋ではハトはオリーブとともに平和の象徴とされ、旧約聖書にも登場します。日本でも神の使いとして古来より親しまれています。
 日本ではあまりなじみがありませんが、食材としても中国やフランスなどで一般的です。