2013年4月10日水曜日

定禅寺通り中央緑道の花壇の模様替え。マリーゴールド?


 当店(定禅寺ハーブギャラリー)の前の定禅寺通り中央緑道の花壇も、春の模様替えです。写真はキンセンカ(学名:Calendula officinalis)です。カレンデュラ、ポットマリーゴールドともいいます。マリーゴールドの名は、一般的には、同じように花壇に植えられるフレンチマリーゴールド(学名:Tagetes patula)を指す場合が多いので混同しないよう注意が必要です。
 キンセンカは、キク科の植物で、原産地は地中海沿岸。北アメリカ、中央アメリカ、南ヨーロッパなどで広く栽培されています。日本では観賞用として花壇などに植えられていますが、ヨーロッパでは、原種は伝統的なメデイカルハーブの1つであり、また、エディブル・フラワー(食用花)として食用にされます。キンセンカの軟膏は、火傷からにきびまで幅広い皮膚のトラブルの治療薬として古くから使用されています。


 西欧では、歴史的に、 "貧乏人のサフラン"として知られ、食品中の着色と香味剤として、特にスープや米料理に使用されました。ヨーロッパの民俗医学のヒーラーは、月経を誘発し、発熱時に汗を出し、黄疸(皮膚が黄色くなる)を治すために、浸剤(テイー)、抽出物、花びらの軟膏を準備しました。19 世紀のアメリカでは、カレンデュラは、内用として、肝臓の問題、胃の潰瘍、結膜炎(瞼の裏側の粘膜の炎症)を治療するために、外用として、火傷、あざ、傷の治癒を早めるために使用されていました。伝統的に、花はまた、外用として、消毒薬として、出血を止めるために使用されました。

 ドイツコミッションE(ドイツ植物委員会)は、口やのどの粘膜の炎症を治療する際のカレンデュラフラワーの内用及び外用両方の使用について承認しています。また外用として傷の治癒のための使用が承認されています。ハーブ浸剤、チンキ、軟膏は皮膚、咽頭炎(のどの炎症)などの粘膜の炎症、下腿潰瘍、うちみ、できもの、発疹に使用されています。

 キンセンカの花で作られた軟膏は、乳首のひび割れや過敏に伴う痛みの緩和に有効です。抗ウイルスと免疫刺激効果の可能性も報告されています。傷の治癒を支援し、炎症や軽いやけどをなだめるその治療活性の可能性についても調査がなされています。最近の研究では、キンセンカ種子のcalendic酸成分を調査し、それが抗酸化特性を持っていることが判明しています。

参考資料
*ABC(米国植物評議会)Web  ドイツEコミッションモノグラフ、拡張モノグラフより
 




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