2013年9月27日金曜日

勾当台公園の秋の花壇(2)センニチコウ


 

 前回と同じ勾当台公園とグリーンハウス前のモデル花壇で撮影しました。ドライフラワーなどでお馴染みのセンニチコウです。

センニチコウ(千日紅、 Gomphrena globosa)は、ヒユ科のセンニチコウ属の一年草です。園芸植物として栽培されている。 
Gomphrena globosaは、一般には Globe Amaranth またはBachelor Buttonとして知られておりG 、24インチの高さに育ちます。 本当の種はマゼンタ色の苞を持っていますが 、栽培品種は紫、赤、白、ピンク、そしてライラックなどの様々な色があります。
その原産地はブラジル 、 パナマとグアテマラの範囲と考えられています 。


用途
 日本ではおもに花壇やドライフラーなどで利用されていますが、フリー百科事典ウイキペデイア英語版より、他国の利用法を紹介します。
 トリニダードでは沸かしてお茶にし、赤ん坊の夜泣き、乏尿 、咳、糖尿病のために使用します。
 ハワイでは 、乾燥した後その形状と色を保持していることより、長持ちするレイで使用されます。
 ネパールでは、この花はで兄弟の日のための花輪を作るために使用されています 。 花輪は、保護のために彼らの姉妹により兄弟の首に巻かれます。
                              記 阿部俊暢
      

2013年9月24日火曜日

勾当台公園の秋の花壇(1) ケイトウ


勾当台公園のグリーンハウス前のモデル花壇で撮影しました。ケイトウの品種だと思います。

 ケイトウ (Celosia cristata L) はヒユ科ケイトウ属の一年生植物です。

 夏から秋にかけ、赤・桃色・黄色などの花穂ができ、その形状がニワトリの鶏冠(とさか)に似ていることに由来します。花期は8月から9月頃です。
 原産地はアジア、アフリカの熱帯地方で、日本には奈良時代に中国を経由して渡来したといわれています。かつては韓藍(カラアイ)と呼ばれていた。花の色は赤や黄色を基調とするが、橙、紫、ピンクなどさまざまな色の園芸品種があります。花穂の形状の異なる羽毛ケイトウ、久留米ケイトウ、トサカケイトウなどの系統があります。
 同属のノゲイトウ(Celosia argentea L)は、一部日本に帰化し、同様に園芸品種としても栽培されています。
 
 牧野和漢薬草大図鑑には、以下のように記載されています。
【薬用部分】花:鶏冠花(ケイカンカ)、種子:鶏冠子(ケイカンシ)
【薬効と薬理】鶏冠花は、止血、止瀉の作用があり、下痢、痔瘻、便血、子宮出血、こしけ、凍傷に用いられる。

 同属のノゲイトウの種子は生薬名を青箱子(セイショウシ)といいます。強壮、消炎薬として使用されています。
                               記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
                             

2013年9月20日金曜日

勾当台公園の秋(2)ミヤギノハギ



  勾当台公園で撮影しました。葉の形より、たぶんミヤギノハギと思われます。
19日は仲秋の名月でしたが、宮城県には萩の月という銘菓があります。商品名は「萩が咲き乱れる宮城野の空に浮かぶ満月」に由来しているとのことです。

 ミヤギノハギ(宮城野萩 Lespedeza thunbergii)とはマメ科ハギ属の植物です。宮城県の県花でもあります。高さ、1-2mの落葉低木で、紫紅色の花を8-10月頃に咲かせます。園芸用としてもよく栽培されています。和名は、宮城県に多く自生することから、歌枕の宮城野の萩にちなんで命名されたといわれています。秋の7草の1つで古くから知られ、『万葉集』でも多く詠まれ、ハギは万葉集で最も詠まれている植物だそうです。有名な歌人の大伴家持もハギの歌をなん首も呼んでいます。
 
 ミヤギノハギの利用については、牧野和漢薬草大図鑑によれば、葉と茎は生薬名:美麗胡枝子(ビレイコシシ)、花は美麗胡枝子花、根は美麗胡枝子根と呼ばれ薬用に使用されます。
記 阿部俊暢

参考資料

*牧野和漢薬草大図鑑


2013年9月17日火曜日

勾当台公園の秋(1)ススキ


 勾当台公園の噴水脇で撮影しました。季節を感じるススキです。2013年は9月19日が「中秋の名月」だそうです。暦の関係で、中秋の名月は必ずしも満月になるとは限らないのですが、今年は満月のようです。
 ススキ(芒、薄)(学名:Miscanthus sinensis)は、イネ科ススキ属の植物で、萱(かや)、尾花ともいいます。野原に生息し、ごく普通に見られる多年生草本です。十五夜の月見には、ハギ(萩)とともにススキを飾ることが多くよく知られています。
 万葉集にはススキを呼んだ歌が17首、オバナを呼んだ歌が19首、カヤを呼んだ歌が10首あるそうです。
ススキは古くから、茅葺き屋根のほかいろいろ利用されてきました。野外植物民俗事苑には、”春の柔らかにものは端午の節句のちまきを包むために使用される。”とありましたが、ネット上の検索ではいくつものブログにその記載がありました。”カシワモチ,チマキ等の食物に利用する植物(葉)の記録”という資料によれば、一般的にはササ類の使用がおおいようですが、西日本ではススキも利用されているようです。
 筆者の記憶にはありませんが、どなたか詳しい方がありましたら教えてください。


                                 記 阿部俊暢
参考資料


*野外民俗植物事苑
カシワモチ,チマキ等の食物に利用する植物(葉)の記録”
 人と自然 Humans and Nature, No.18, 127 -150, December 2007

2013年9月13日金曜日

道端の薬草(17) イヌタデ


 西公園の空地で撮影しました。イヌタデだと思います。 
 イヌタデ(Polygonum longisetum)は、タデ科タデ属の一年草です。日本各地、朝鮮半島、台湾、中国、マレーシアなどに分布し、野原や道ばたに普通に見られる雑草です。花期は6月〜10月で、密な総状花序に紅紫色の小さな花をつけます。その花を「赤飯」にみたてて、アカマンマとも呼ばれています。
 牧野和漢薬草大図鑑には以下の記載があります。
【薬用部分】全草:馬蓼(バリョウ)。開花時に採取する。
【薬効】回虫駆除、下痢による腹痛、皮膚病などに用いる。
 食用にもされているようで、野外植物民俗事苑には、”若葉は茹でて、浸しもの、和え物などとして食用にする”とあります。

                               記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物民俗事苑

2013年9月6日金曜日

道端の薬草(15) ヘクソカズラ


 西公園の空地で撮影しました。ヘクソカズラだと思います。なんか可哀想な名前ですが、よく見るとなかなか味のある花です。ヤイトバナ、サオトメバナなどの名もあります。

 ヘクソカズラ(学名: Paederia scandens)は、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草です。北海道から沖縄までの山野に自生しており、植物全体に悪臭があることから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名があります。花は夏に咲き、外面白色で内面は紅紫色(写真参照)を帯び、その花の優しい色や姿からサオトメバナとも呼ばれています。

球形で黄色、直径5mmの果実は、生薬の鶏屎藤果(ケイシトウカ)として知られています。牧野和漢薬草大図鑑には以下のように記載されています。
【薬効と薬理】果実の成分には抗菌作用があることが知られている。根には下痢止め、あるいは腎臓脚気などに利尿薬として効果がある。
 
                            記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物民俗事苑

2013年9月5日木曜日

道端の薬草(16) イヌホウズキ


 西公園の空地で撮影しました。イヌホウズキの花と実だと思います。

 イヌホオズキ(学名: Solanum nigrum)は、ナス科ナス属の一年生植物です。バカナスとも呼ばれています。ホオズキやナスに似ているが役に立たないことからその名付けられました。
 日本全土を含む、世界の温帯から熱帯にかけて広く分布し、畑や道端、民家の庭先などで普通に見られます。有毒物質のソラニンを含んでいますが、毒性は低く、若葉を食用にしている地域もあります。
 牧野和漢薬草大図鑑には以下の記載があります。
【薬用部分】全草(龍葵:リュウキ)、果実(龍葵子:リュウキ)

【薬効と薬理】龍葵は、解熱、解毒、消腫薬として各種のできもの、打撲傷、慢性の気管炎、急性腎炎などに用いられる。
【使用法】消腫には生の果実を含む茎葉に塩を少量加えてもみ、葉汁を塗る。
                              記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物民俗事苑

2013年9月3日火曜日

勾当台公園のサルスベリ



 勾当台公園で撮影しました。サルスベリの花です。今年はなぜか少なめです。

 サルスベリ(百日紅=ヒャクジツコウ、Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科の落葉中高木です。中国南部原産の落葉小高木であり、日本には江戸時代に渡来しました。花が美しく、耐病性もあり、必要以上に大きくならないため、しばしば好んで庭や公園などに植えられるます。勾当台公園にも何本か植えられています。花は紅の濃淡色または白色で、8月頃に咲きます。和名は、猿が登ろうとしても、滑ってしまうという意味で、猿滑と表記することもあります。サルスベリは、もっぱら観賞用として植えられているようで、野外植物民俗事苑にもその利用の記載はありません。

 同属のバナバ(和名:オオバナサルスベリ、学名:Lagerstroemia speciosa)は、インドネシアやタイなどの熱帯、亜熱帯地域に分布する常緑高木で、フィリピンでは糖尿病を治療する民間薬として飲用されています。日本でもバナバ茶として販売されていて、国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報にも記載があります。

                           記 阿部俊暢