2013年8月30日金曜日
道端の薬草 (14)アオキ
勾当台公園のアオキの実です。まだ緑色です。
アオキ(Aucuba japonica)はミズキ科アオキ属の常緑低木です。
日本原産で、北海道南部 - 沖縄までの森林に自生しています。日陰でもよく育ち、庭園や公園の植え込みに植栽されています。勾当台公園や西公園にも多数植えられています。
高さは2mほどで、花は3 - 5月に咲きます。果実は卵形の液果で種子を1個含み、秋頃から赤く(種類によっては白、黄色に)熟するとありますが、まだ緑色です。
牧野和漢薬草大図鑑には、以下の記載があります。
【薬用部分】生の葉、果実(桃葉珊瑚:トウヨウサンゴ)
【薬効】昔から民間薬として用いられ、やけど、しもやけ、できものに、また脚気、浮腫、膀胱カタルなどに用いられる。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
2013年8月27日火曜日
店頭のハニーサックルの実
6月に紹介した、店頭のハニーサックルの実です。10年前に日野春ハーブガーデンより取り寄せた、ハニーサックル( ロニセラ)のセロチナ(Lonicera periclymenum 'Serotina')という品種です。
赤い実は見た目おいしそうですが、利用できるかどうかの記載は見つけることができませんでした。
英国王立園芸協会のハーブ大百科には、”ハニーサックル(Lonicera periclymenum)は、薬用ハーブに数えられることもあるが、現在はほとんど使用されていない。去痰、殺菌、利尿作用があって、嘔吐を起こすこともあるが、少量を咳止めに加えると効果がある。”と記載されていますが、使用部位の記載はありません。
日本に分布する同属のスイカズラ(Lonicera japonica)は、中国漢方では古くから重要な位置を占めてきましたが、使用部位は葉および茎(ニンドウ:忍冬)、花(キンギンカ金:銀花)です。実についての記載は見つけることができませんでした。
ネット上には、実は有毒であるとの記載が見られますが、信頼できるデータは見つけることができませんでした。
記 阿部俊暢
参考資料
*英国王立園芸協会 ハーブ大百科
*最新薬用植物学
*牧野和漢薬草大図鑑
2013年8月23日金曜日
定禅寺通りのケヤキ並木の下のヤブラン?
定禅寺通りの中央分離帯のケヤキの下に群生しています。ヤブランだと思います。
ヤブラン(Liriope muscari)は、スズラン亜科ヤブラン属に属する多年草です。別名リリオペ、サマームスカリなどの名があります。本州関東地方以西、四国、九州、沖縄および中国、朝鮮半島南部に分布し、常緑樹林の樹陰に生える常緑の多年草とありますので、定禅寺通りにはおそらく植栽したものと思われます。
開花期は8月〜10月で、葉間から高さ30cm〜50cmの花茎を出し、淡紫色の花を多数総状花序につけます。。
牧野和漢薬草大図鑑には、以下の記載があります。
【薬用部分】根(土麦冬<ドバクトウ>)。秋〜冬にほりあげ、水洗い後、日干しにする。
【薬効と薬理】民間的には消炎性滋養強壮、鎮咳、緩和作用があるとされ、粘着性消炎、強壮、鎮咳、去痰薬として、咳止め、去痰、滋養強壮などに用いられ、のぼせ症の人に対して強壮利尿にも有効とされている。
また、麦門冬(ジャノヒゲ)の代用として漢方処方に配剤されることもある。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
2013年8月20日火曜日
道端の薬草(13) キカラスウリ?
市民会館脇の小さな空地で撮影しました。多分キカラスウリだと思います。
キカラスウリ(Trichosanthes kirilowii var. japonica)は、ウリ科の植物で、つる性の多年草です。北海道奥尻島、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山野や人家近くの土手などにはえます。葉は切れ込みが入ったハート型で、表面は光沢をもち、葉の表面に多数の短毛を持ちます。雌雄異株で、ひとつの株には雄花か雌花かのいずれかのみがつきます。花期は8月〜9月で、夏の夕方、レースのような白色の華麗な花が咲き、日中には閉じます。果実は広楕円形で長さやく10cm。紅熟して晩秋まで蔦に残ります。
キカラスウリの根は栝楼根(カロコン)という生薬(日本薬局方に記載)で、種子は栝楼仁(カロジン)といいます。
牧野和漢薬草大図鑑には、”栝楼仁には抗癌作用があることが報告されている。根に止渇、解熱、催乳、鎮咳など、種子に解熱、去痰、鎮咳などの作用が認められており、解熱、止渇、消腫薬として咽喉痛、呼吸器病の解熱、口渇、去痰などに用いられる”、と記載されています。
野外植物民俗事苑には、”果実はそのままで食用になるが、ヒシオ漬けや塩漬けにもし、化粧用にする”との記載があります。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物民俗事苑
2013年8月16日金曜日
道端の薬草(13)オニユリ?
西公園で撮影しました。オニユリかコオニユリかどちらかはちょっとわかりませんが、コオニユリの生息地は湿地などが多いので、多分オニユリだと思います。
オニユリ(Lilium lancifolium)は、ユリ科ユリ属の多年草です。グアム東部、中国、朝鮮半島、日本に自生する。日本では北海道から九州の平地から低山で普通に見られます。草丈は1~2m程となる大型のユリ。葉は互生し、小さめの披針形で先端はゆるく尖っています。茎は紫褐色で細かい斑点があります。花季は7月から8月で、花弁はオレンジ色、濃褐色で暗紫色の斑点があります。
牧野和漢薬草大図鑑には、
【薬用部分】鱗茎(百合:ヒャクゴウ)
【薬効と薬理】ユリは消炎、鎮咳、利尿、鎮静薬として、肺熱咳嗽、小便不利、通身疼痛などに用いられる。
と記載されています。
野外植物民俗事苑には、鱗茎を食用にする。ちょうどお盆の頃に咲くので、盆花にするとあります。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物事苑
2013年8月13日火曜日
道端の薬草(12) キキョウ
昨年と同じ、勾当台公園の噴水脇で撮影しました。小さいですがキキョウだと思いす。
キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)はキキョウ科キキョウ属の多年草です。。キキョウ属はキキョウ1種からなり、園芸品種や変種は見られますが、他の種はありません。秋の7草のひとづで、山野の日当たりの良い所に育ち、日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布しています。昨今は野生のものはほとんど見られなくなり、『絶滅危惧種』にも指定されています。古名をアサガオといい、全国的に盆花としてオミナエシとともに仏前にそえられています。
野外植物民俗事苑には、”若苗は茹でて水にさらし、和え物、炒め物などとして食べる。根は漬け物や揚げ物、煮物などにする。”と記載されています。
根を水洗いして乾燥させたものは「桔梗根」といい薬用にされます。最新薬用植物学(廣川書店)には、
”去痰、排膿薬とし、気管支炎、扁桃炎、咽喉痛などに適用、〔漢方処方例〕桔梗湯、排膿散および湯、葛根湯加桔梗石膏”と記載されています。
記 阿部俊暢
2013年8月9日金曜日
定禅寺通りと仙台七夕
一番町四丁目の七夕飾り |
8月6日より8日(昨日)まで行われていた、仙台七夕の写真です。仙台はやっと遅い梅雨があけ、今年の七夕は初日はちょっと雨がふりましたがまあまあ天気にも恵まれ、平平日にもかかわらず賑わっていました。定禅寺通りにも”希望•未来への道”として、竹のアーチとLEDのイルミネーションが設置され、いつもと違う幻想的な雰囲気でした。
定禅寺通りの”希望•未来の道” |
勾当台公園も様々なイベントで盛り上がっていました。
勾当台公園市役所前広場ぼイベント |
仙台七夕
仙台七夕まつりは例年7月7日の月遅れである8月7日を中日として、8月6日から8日の3日間にわたって行われます。大規模な飾り付けがされるのは一番町や中央通りなどのアーケード街、仙台駅周辺などですが、それ以外の商店街組織ごとの飾り付けなど市内各地で飾り付けがなされます。東北三大祭りの1つに数えられ、例年200万人以上の人が訪れるといわれています。
もともと仙台では、藩祖伊達政宗が文化向上の目的で七夕を奨励したため当地で盛んな年中行事の1つになったといわれていますが、明治以降は次第に衰退していたものが、昭和になり商店街の振興策として再び盛んになり、今の一大イベントとして復活したと言われています。
記 阿部俊暢
2013年8月6日火曜日
勾当台公園の彫刻 ”織姫”
ようやく梅雨明けのようです。今回は、来週からの仙台七夕にちなんで、勾当台公園の”織姫”の彫像を紹介します。”織姫”は、勾当台通りと定禅寺通りの角にある『時の広場』脇に設置されています。
街ナビ仙台によれば、”昭和62年5に仙台市のロータリークラブが、郷土仙台が日本で最も美しく住み良い街に発展していくことをふるさとの祭り七夕の象徴である織姫に託して作成したもの”です。
作者は、代表的な女流彫刻家の雨宮敬子氏です。氏の略歴は以下のとおりです。(*フリー百科事典ウイキペデイアより)
雨宮 敬子(あめのみや けいこ、1931年2月3日 - )は、彫刻家、日本芸術院会員。雨宮治郎の娘として東京に生まれる。弟は雨宮淳。1956年日展初入選、1982年長野市野外彫刻賞、1983年中原悌二郎賞優秀賞、1985年日展内閣総理大臣賞受賞、1994年日本芸術院会員。
主に女性のヌード座像を制作している。『雨宮敬子作品集』(講談社 2005)がある。
記 阿部俊暢
2013年8月2日金曜日
定禅寺通りのケヤキ並木の枝打ち
定禅寺通りのケヤキ並木の剪定作業です。高所作業者を使用しての大仕事です。
定禅寺通りのケヤキ並木について
東二番丁通り(勾当台通り)より、当店がある西公園通りとの交差点までの定禅寺通りの西側部分は、ケヤキの街路樹が、通りの両側の歩道にそれぞれ1列ずつ、中央分離帯に2列の計4列並んでおり、枝葉が通りの上部の全てを覆っています。その景観の美しさから、日本の道100選に選ばれているようです。
この並木は、空襲によって市の中心部が焼失した後の戦災復興事業の区画整理により、拡幅された定禅寺通に昭和33年に植えられ現在にいたっています。今では完全に通りを覆うほどの巨木に育っていますが、住友林業のホームページには、ケヤキは1000年以上も生きると書いてあったので、それからいえば定禅寺通りのケヤキはまだまだ子供です。どちらにせよこの厳しい市街地の環境の中で育つその生命力には脱帽です。もちろん人による適切な管理の努力があってこそかもしれませんが。
ケヤキ(欅)
ニレ科の落葉高木。
学名:Zelkova serrata
英名:Japannese zelkova (ジャパニーズ ゼルコバ)
分布:東アジアの一部、日本(本州、四国、九州)
野外植物民俗事苑には
古名をツキ(槻)といって弓材にしたと『延喜式』(平安時代中期に編纂された格式)にも載っていると、記載されています。又、神が宿る木として、神社のご神木になっているものも多いとも記載されています。
ケヤキ材は、堅くて摩耗に強いので家具・建具等に使われます。
日本家屋の建築用材としても古くから多用され、神社仏閣などでも使用されてきました。
現在は高価なためなかなか一般の住宅では使えなくなっているようです。
参考文献
*フリー百科事典『ウイキペデイア(Wikipedia)』
*野外植物民俗事苑
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