2013年10月29日火曜日
西公園の秋 サザンカ
西公園で撮影しました。時期的にサザンカだと思います。
サザンカ(学名:Camellia sasanqua)は、ツバキ科の常緑広葉樹です。秋の終わりから、冬にかけての寒い時期に、花を咲かせます。
日本では山口県、四国南部から九州中南部、南西諸島(屋久島から西表島)等に、日本国外では台湾、中国、インドネシアなどに分布しています。
サザンカには多くの栽培品種(園芸品種)があります。野生の個体の花の色は部分的に淡い桃色を交えた白であるのに対し、植栽される園芸品種の花の色は赤や、白や、ピンクなど様々です。
ツバキと非常に似ていますが、両者の区別点は、蕾がツバキでは葉の下につきますが、サザンカは上に付き、花が咲いてもよく見えます。またツバキは花がおわるとポトリと全体がポトリと落ちますが、サザンカは花びらがバラバラに散ります。
ツバキ同様に種子より油をとったり、細工物の材としても使用されているようです。
記 阿部俊暢
参考資料
*野外植物民俗事苑
2013年10月25日金曜日
道端の薬草(20) イノコヅチ?
西公園の空地で撮影しました。多分イノコヅチ(ヒカゲノイノコヅチ)だと思いますが、同属のヒナタノイノコヅチかもしれません。
イノコヅチ(猪子槌: Achyranthes bidentata var. japonica)は、ヒユ科イノコヅチ属の多年草です。日のあまり当たらない場所に生える雑草。同属の近縁種、ヒナタイノコヅチに対してヒカゲイノコヅチ(日陰猪子槌)ともいいます。よく似た、ヒナタイノコヅチ(日向猪子槌: Achyranthes bidentata var. fauriei)は、イノコヅチ(ヒカゲイノコヅチ)よりも日当たりのよい場所に生えることからその名があります。
イノコヅチの根を乾燥させたものは、ゴシツ(牛膝)という生薬です。牧野和漢薬草大図鑑には、以下のように記載されています。
【薬効と薬理】通経、浄血、利尿作用があるとされており、月経不順、脚気、小便難渋、淋疾などに用いられる。
【その他】日本産のゴシツは通常ヒナタノイノコヅチの根を用い、イノコヅチの根は小型で市場性がない。
野外植物民俗事苑には、若いものは食べられ、佐渡では「夏のホウレンソウ」といってお浸しや和え物にするとあります。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外しょくb
2013年10月22日火曜日
道端の薬草(19) セイタカアワダチソウ?
西公園の工事中の空地で撮影しました。セイタカアワダチソウだと思います。
セイタカアワダチソウ(学名:Solidago canadensis var. scabra または Solidago altissima)は、キク科アキノキリンソウ属の多年草です。北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物で、今では北海道から沖縄まで自生しています。
日本では帰化植物として嫌われがちですが、英名をゴールデンロッドといい、ドイツ薬局方に記載され、ドイツEコミッション(ドイツ薬草委員会)が承認したれっきとした薬用ハーブです。
牧野和漢薬草大図鑑にも記載がありますが、薬効は不詳とされており日本では使用されていないようです。
同属(アキノキリンソウ属)の近縁種であるアキノキリンソウは、日本に自生しており、根を含む全草が一枝黄花( イッシオウカ)という生薬名で薬用に利用されています。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*ABC(American Botanical Council)Webページ
2013年10月18日金曜日
秋の定禅寺通り イヌサフラン
今年も、いつもの三越前の定禅寺通り中央緑地で撮影しました。
イヌサフランの園芸品種のコルチカム‘ウオーターリリー’だと思います。イヌサフラン(colchicum autumnal)はユリ科のイヌサフラン属の植物です。ヨーロッパ中南部〜北アフリカ原産です。種名の通り、秋に花が咲きます。
イヌサフランの鱗茎(球根)や種子には、アルカロイドのコルヒチンという物質が含まれています。リウマチや痛風の治療に用いられてきましたが、毒性も強く下痢や嘔吐などの副作用を伴います。現在は主に痛風に用いられています。また種なしスイカの作出にも使用されています。
牧野和漢薬草大図鑑には以下のように記載されています。
【薬効と薬理】中枢性の知覚麻痺と末梢性血管麻痺の作用があり、痛風による激痛を特異的に鎮める作用がある。鎮痛薬として痛風に用いる。
【使用法】毒性が強いため家庭では使えない。
記 阿部俊暢
参考資料
牧野和漢薬草大図鑑
英国王立園芸協会ハーブ大百科
2013年10月15日火曜日
道端の薬草(18) ヨメナ?
勾当台公園で撮影しました。ちょっとみにくい写真ですが、ヨメナの1種カントウヨメナ(K. pseudoyomena Kitam.)ではないかと思います。このような野菊はどれもよく似ているので、ノコンギク(Aster ageratoides)かもしれません。
ヨメナ(嫁菜、学名:Aster yomena)はキク科の多年草で、道端で見かける野菊の一種です。秋に薄紫か白い菊の花をつけます。ただし一般にはよく似た姿のキク類は他にもいくつかあり、一般にはそれらをまとめてヨメナと呼んでいることが多いです。
ヨメナは昔から食用野草として知られていた植物で、若葉を天ぷらや茹でて浸しもの、和えものなどにすると特有の香気がります。薬用としても利用されており、牧野和漢薬草大図鑑には以下のように記載されています。
【薬用部分】根を含む全草。夏〜秋につけたままの全草を採取し、水洗い後そのまま使用するか日干しにする。
【薬効と薬理】薬理およびその効果については不明だが、民間的に清熱、解毒、止血薬として吐血、鼻血、血痢、創傷の出血、黄疸、水腫、咽喉痛、痔瘡、できものなどに用いられる。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物民俗事苑
2013年10月11日金曜日
道端の薬草(17) マツヨイグサ?
西公園脇の空地で撮影しました。マツヨイグサ属の1種だと思いますが、種まではわかりません。
マツヨイグサは、アカバナ科マツヨイグサ(Oenothera)属の一年生または多年生草本植物で、この言葉は主にマツヨイグサ属に含まれる植物について種を特定しないで呼ぶ場合に使用されます。月見草とか宵待草と呼ばれる場合もあります。
マツヨイグサ属にはおよそ125の種が含まれています。どの種も南北アメリカ大陸原産であり他地域には生育していません。日本も例外ではなく、野生のものは帰化植物か、逸出した園芸植物のいずれかです。日本に帰化している植物には、マツヨイグサ、コマツヨイグサ、オオマツヨイグサ、メマツヨイグサなどがありますが、近年はメマツヨイグサ(Oenothera binnis)が多いとのことなので、これもメマツヨイグサかもしれません。
牧野和漢薬草大図鑑には、日本産のものはほとんど薬用にされることはないとありますが、ヨーロッパや中国では薬用に利用されています。最近では、メマツヨイグサ(Oenothera binnis)の種子から採油されるオイルは、γ-リノレイン酸を多く含んでおりサプリメントなどでも注目されています。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*英国王立園芸協会ハーブ大百科
2013年10月8日火曜日
道端の薬草(16) ナンブアザミ?
西公園で撮影しました。
アザミ属(アザミぞく、Cirsium)はキク科の属の一つです。アザミの種類はたくさんあって、よく似ているので判別が難しいのですが、花の時期、葉の切れ込み具合、花が下向きについていることなどより、ナンブアザミ学名 (Cirsium nipponicum)ではないかと思います。雑種もあるそうなのでよくわかりません。
アザミの根はアザミ根といい、民間療法で薬用に利用されいます。利用されているアザミの種類には、ノアザミ、ナンブアザミ、シコクアザミ、フジアザミ、ニッコウアザミなどがあります。
牧野和漢薬草大図鑑には以下の記載があります。
【アザミ根は民間的にかっけ、神経痛、リウマチに用いられ、利尿、健胃にも効果があるといわれる。アザミ根1日6〜15gを水で煎じて服用する。外用には生の根をすりつぶして患部に塗布する。】
食用にもされているようで、野外植物民俗事苑には、茎立ちしたものは茎を中心に採って、てんぷらや汁の実、煮付けとするほか、茹でて浸しもの、各種の和えものとするとあります。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外植物みn
2013年10月4日金曜日
秋の定禅寺通り ヒガンバナ
いつも撮影する三越前の定禅寺通り中央緑地で撮影しました。ヒガンバナの群生です。
ヒガンバナ(彼岸花、学名 : Lycoris radiata Herb)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年球根植物です。本州から沖縄および中国の暖帯、温帯に自生しています。リコリス、曼珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ )とも呼ばれています。野外植物民俗事苑には、”古くから民衆に親しまれてきた草花で、収録した方言は600を超える多さである。”と記載されています。
秋に未だ葉が芽を出さないときに、花茎を地上に30cmくらい伸ばして真っ赤な美しい花を咲かせます。全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリンなど)を多く含む有毒植物です。誤食した場合は吐き気や下痢、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死にいたることもあります。
牧野和漢薬草大図鑑には、以下のように記載されています。
【薬用部分】鱗茎(石蒜:せきさん)
【薬効と薬理】鱗茎から得られたアルカロイドには鎮痛、降圧、催吐、去痰をはじめ様々な薬理作用があることが知られている。リコリンは市販のヒドロコリン(アメーバ赤痢の薬)や吐剤、去痰薬ねどの製剤原料に用いる。そのほか、民間では腎炎、膀胱炎などの身体のむくみを除き、また肩こり、乳房炎、乳腺炎の湿布に用いる。
民間での使用については同様の記載が、野外植物民俗事苑にもあります。
記 阿部俊暢
参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*野外
2013年10月1日火曜日
勾当台公園の秋の花壇(3)ポーチュラカ?
勾当台公園のグリーンハウス前の花壇で撮影しました。たぶんポーチュラカの1種のマツバボタンだと思います。
マツバボタン(松葉牡丹、Portulaca grandiflora)と、スベリヒユ科スベリヒユ(ポーチュラカ)属の植物です。南アメリカ原産の一年草で、アルゼンチン、ブラジル南部、ウルグアイに自然分布しています。葉は多肉で、高温と乾燥に対して非常に強く、世話のほとんど不要なくらい丈夫です。種子は非常に細かく、こぼれ種でもよく繁殖します。開花期は6~9月頃。美しい花を観賞するためによく栽培されています。花弁の色は白、黄、赤、オレンジ、ピンクなどで、八重咲きの品種もあります。
スベリヒユ(ポーチュラカ)属の植物は、多肉質の蔓性の一年草、二年草約40種類が知られており、温暖な温帯地方に広く分布しています。同属のスペリヒユ(Portulaca aolerasea)は野菜として多くの地方で栽培されており、古代エジプトをはじめ、インドおよび中国で何千年にもわたって育てられてきたハーブです。
日本でも食用にされており、山形県では「ひょう」と呼び、茹でて芥子醤油で食べられます。一種の山菜として扱われており、干して保存食にもされてきました。また沖縄県では「ニンブトゥカー(念仏鉦)」と呼ばれ、葉物野菜の不足する夏季に重宝されています。
牧野和漢薬草大図鑑には以下のように記載されています。
【薬用部分】全草「馬歯莧」(;ばしけん)夏に全草を採取し、水洗い後日干しにする。
【薬効と薬理】消炎、消腫、利尿薬として、血痢、淋疾、歯肉炎、虫さされなどに用いられる。
記 阿部俊暢
参考資料
★牧野和漢薬草大図鑑
★英国園芸協会 ハーブ大百科
★フリー百科事典ウイキペデイア
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