2013年6月8日土曜日

道端の薬草(5)ナズナ



 西公園の通路脇で撮影しました。一面に群生していました。
ナズナ(学名:Capsella bursa-pastoris)は、アブラナ科ナズナ属の越年草です。別名ペンペンググサともいいます。日本各地および北半球の温帯一帯に広く分布し、原野、道ばた、田畑、人家などに最も普通に見られます。
 春の七草のひとつで、万葉の時代から大宮人に愛され、年中行事の小正月の七草粥を作るときの歌や鳥追いの唄にも歌われています。早春や秋のロゼット状のものを摘んで浸し物、和え物などやキノコ汁の中に入れたりする山菜です。(
 
 ナズナは生薬名を齊菜(サイサイ)といい民間薬としても利用されています。
 牧野和漢薬草大図鑑には、”齊は民間で止血、消炎、消腫、鎮痛薬として、腹痛、子宮出血、下痢、高血圧症、眼球充血などに用いられる”と記載されています。

 ナズナはまた英名をシェパーズパース(Shepherd's purs)といい、ヨーロッパでも食用および、止血効果のあるハーブとして用いられてきました。
 英国王立園芸協会のハーブ大百科には、”内服、外用共に止血作用があり、特に月経過多、血尿、内痔核、鼻血、外傷などに使用する。”と記載されています。
 また”中国漢方では血液を冷やす作用があるとして、上記と同様の目的の他、高血圧、産後の出血にも使用する”とあります。

                            記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*英国王立園芸協会 ハーブ大百科
*野外植物民俗事苑


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