2013年3月30日土曜日

植え込みの中の春(2) ハコベ?


 仙台市役所の前の植え込みで撮影しました。ハコベの1種だと思います。小さな花で普段気に留めることはまずありあせんが、あらあめてよく見ると、白い5枚の花びら(10枚にみえますが、根元がつながっています。)が可憐です。
 ハコベとは、ナデシコ科ハコベ属(Stellaria)の植物の総称です。普通に見られるハコベの仲間にはハコベ(ミドリハコベ:Stellaria neglecta Weihe)/コハコベ(Stellaria media (L.) Villars)/ウシハコベStellaria aquatica (L.) Scop/ノミノフスマ(Stellaria uliginosa Murray var. undulata )などがあります。一般的にハコベといえば、コハコベのことを指すことが多いようです。どれも小さくて白い可愛い花が咲き、区別がつきにくいですが、写真は、花と萼の長さと、茎の色などから代表的なコハコベ(Stellaria media (L.) Villars)と思われます

 ハコベは洋の東西で、古来より利用されています。日本では春の七草のひとつで、おひたしにもできます。生薬名を繁縷(はんろう)といいます。利尿作用、浄血作用などがありますが、民間薬的なもので漢方ではまずつかわれないようです。

 西洋ではチックウイードといい、ハーブ大百科(英国王立園芸協会にも以下のように記載されている伝統的なハーブです。
”かすかに塩気のある、慰撫、冷却性のハーブで、痒みを止め、治癒促進、変質、抗リウマチ作用がある。”




2013年3月27日水曜日

植え込みの中の春(1) ホトケノザ?


 北国の遅い春ももうすぐそこです。仙台市役所前の芝生のまわりの植え込みで撮影しました。葉の形よりホトケノザだと思います。
 ホトケノザ(仏の座、学名: Lamium amplexicaule)は、シソ科オドリコソウ属の一年草あるいは越年草です。アジアやヨーロッパ、北アフリカなどに広く分布しており。日本では、北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に自生しています。道端や田畑の畦などによく見られる雑草です。
 春の七草の一つに「ほとけのざ」がありますが、これは本種のことではなく、標準和名をコオニタビラコというキク科の植物です。本種は食用にはならないので注意が必要です。
 オドリコソウ(Lamium)属の植物は世界に約40種類あります。ほとんどが道ばたでよく見られる雑草です。オドリコソウ(Lamium alubum)は、観賞用の品種もあり、ハーブ大百科(英国王立園芸協会)には、”中世より婦人科系の疾患に使用されてきた。花は美味なハーブテイーになる。”と記載されています。

2013年3月23日土曜日

定禅寺通り付近の地名 花京院

定禅寺通り東端より花京院方面を望む
定禅寺通りの東の突き当たり付近の地名は花京院です。
 「花京院」は江戸時代の仙台城下町にあった修験道*1の寺院の名前です。寺院に因んで、隣接する道が「花京院通」と名付けられ、沿道の町名も「花京院通」となりました。明治維新により、1872年(明治5年)の太政官布達(修験禁止令)により、「花京院」は廃寺となりますが、「花京院通」という道路名と町名はその後も使用され続け現在にいたっています。
*1 修験道とは
 修験道(しゅげんどう)は、山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた日本独特の混淆宗教です。修験道の実践者を修験者または山伏といいます。お隣の山形県の出羽




2013年3月21日木曜日

西公園のマンサク?

西公園のマンサク


西公園のマンサク
 遅い北国の春はまだ先のようで、西公園でも、ほとんどの植物がまだ固いつぼみのままですが、1本だけ満開に咲いていました。たぶんマンサク(満作、万作、金縷梅)だと思われます。
 マンサク(学名:Hamamelis japonica)は、マンサク科の低木で、日本各地、本州の太平洋側から九州まで広く自生しており、花木としても栽培されているマンサク科の植物です。リボンのように細く長い花弁は黄色です。他のどの花よりも早く咲き始めるマンサクは、“先ず咲く”花、が訛って「マンサク」になったとも、こぼれんばかりに咲く花に、“豊年満作”を思いこの名になったともいわれています。
 マンサク(Hamamelis)属の植物は、東アジアと北米に4種ほどが生育しており、中国原産のシナマンサク (Hamamelis mollis)、北米原産のアメリカマンサク (Hamamelis virginiana)もよく植えられています。その他、いくつかの亜種、栽培品種が存在します。シナマンサクは枯れた葉が春まで残り、アメリカマンサクは秋に咲くので、撮影した花はマンサクの亜種または品種のひとつと思われます。

 牧野和漢薬草大図鑑によれば、マンサクは、薬用部ば葉部、主要成分はタンニン。”詳細は不明だが、民間的に止瀉、消炎、止血などの作用があることが知られており、下痢止め、皮膚炎、止血、扁桃腺炎、口内炎などに用いられる”と記載されています。
 アメリカマンサクはウイッチヘーゼルともいいます。北米先住民の伝統薬であり、アメリカ薬局方にも収録されていた歴史があります。現在は、収れん作用をもつ芳香蒸留水(フローラルウオーター)として化粧水などに広く使われています。(*ハーブ大百科、英国王立園芸協会より)

2013年3月17日日曜日

定禅寺通付近の地名 錦町

錦町の看板
 愛宕上杉通りより東側、定禅寺通りの北側の地名は錦町です。かつて、このあたりの定禅寺通りは「長丁「と呼ばれていました。「長丁」(ながちょう)の名前は仙台藩の時代から使用され、西端を同心町通(現愛宕上杉通りの東側の道路)、東端を東6番丁とする道路名として用いられ、付近の町名としても使用されていました。仙台城下町では、侍町は「丁」(ちょう)、町人町は「町」(まち)と表記・呼称したため、長丁は、武士が住んだ場所です。この地域のかつての通名や町名には、同心町通、外記丁、六軒丁、長刀丁、長刀横丁などがあり、屋敷町の名残が、現在も見られます。
 昭和8,9年頃、仙台の市電が開通による道路拡幅により、長丁は現在のような大通りになりましたが、「長町」の地名と混同して紛らわしいため、昭和10年に「錦町」と改名されたと「仙台地名考(菊地勝之助著)」には記載されています。
ちなみに、錦町公園は、錦町を冠していながら、本町に所在します。冷やし中華発祥の店とされる龍亭はこの地区にあります。


2013年3月13日水曜日

錦町公園の「祈りの像」

錦町公園の祈りの像
碑文

 錦町公園に静かにたたずんでいる「祈りの像」です。この像は、第二次世界大戦での原爆被害者への追悼の気持ちを込め過ちを二度と起こさぬようにと設置された、と碑文に記されています。遠く離れたこの仙台にこのような碑があるということを考えることは、3月11日であの大震災より2年を迎えるにふさわしいかもしれないと思い、このブログでご紹介してみました。




2013年3月8日金曜日

錦町公園のツバキ

錦町公園のツバキ

 錦町公園の植え込みで咲いていました。樹高は小さいですが、光沢のある葉や花の形より、ツバキの品種と思われます。矮性でもあり葉は鋸歯が鋭いため、ユキツバキの品種かもしれません。

 ツバキは古くから庭木として親しまれている日本を代表する花木のひとつです。野生種としては本州・四国・九州・朝鮮半島南部に分布し樹高の高くなるヤブツバキ、本州の日本海側、雪の多く降る地帯に分布する樹高のやや低いユキツバキなどがよく知られています。
 ヤブツバキ(薮椿、あるいは単にツバキともいう。学名:Camellia japonica)は、照葉樹の代表的な樹木で、冬から春にかけて花が咲きます。普通は高さ5-6mですが、樹高18m・胸高直径50cmにも達する例も知られています。
 ユキツバキ(雪椿、学名:Camellia rusticana )は、別名、オクツバキ、サルイワツバキ、ハイツバキともいいます。主に日本の太平洋側に分布するヤブツバキが、日本の東北地方から北陸地方の日本海側の多雪地帯に適応したものと考えられ、変種、亜種とする見解もあります。また、ヤブツバキとユキツバキの分布の境界線上の中間地帯にはユキバタツバキというヤブツバキとユキツバキの特徴を併せ持った中間的な存在のツバキが存在し、両者の雑種だと言われています。

 それらの野生種をもとにして数多くの園芸品種が生み出されました。特にヤブツバキは品種改良の中心となった種です。ツバキの人気は日本だけに留まらずヨーロッパやアメリカでも人気の高い花木で、現在では洋種のツバキの品種改良も積極的に行われています。


用途 
材木
大木は入手しにくいので建築用にはあまり使われない。
木質は固く緻密かつ均質で木目はあまりめだたない、摩耗に強くて摩り減らない等の特徴から工芸品、細工ものに使われている。代表的な用途は印材。

木灰
日本酒の醸造には木灰が必要で、ツバキの木灰が高級とされている。

薬用
薬用部分は葉、花(山茶花)、種子。花は開花直前にとって日干しにする。種子は絞って油をとる。花はタンニンを多く含む。
花は滋養強壮、葉は止血などにもちいられてきた。
牧野和漢薬草大図鑑には、滋養、強壮には、乾燥した花をきざんで熱湯をそそぎ、健康茶として飲むとありました。
種子から得られるツバキオイルは、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸を豊富に含み、特にヘアオイルとして使用されていることはよく知られています。


2013年3月6日水曜日

勾当台公園の残雪の中のパンジー

勾当台公園の花壇のパンジー

 今年は、寒い日が続き雪が消えないためか、勾当台公園の花壇にもあちことに雪が残っています。早春の花壇を代表する花といえばパンジーでしょうが、残雪の中で咲いていました。
 パンジー(学名:Viola X wittrockiana、シノニム:Viola tricolor hortensis)はスミレ科スミレ属の園芸植物の1種です。スミレもしくはサンシキスミレ(V. tricolor)から分化したものと考えられ、サンシキスミレの亜種Viola tricolor hortensisとされることもあります。しかし、園芸上用いられる変種は交雑と交配が進んだものであり、学名をViola X wittrockianaとするのが正しようです。
 パンジーは、1800年代に北欧で、アマチュアの園芸家が大きく鮮やかな群性のスミレを作るために、野生のサンシキスミレと野生スミレビオラ・ルテア(V. lutea)、さらに近東のスミレビオラ・アルタイカ(V. altaica)を交配して生まれたものと言われています。
 サンシキスミレ(V. tricolor)は、ハートシーズとも呼ばれています。薬用ハーブとしての歴史があり、乾燥した地上部全体が、気管支炎、百日咳、リウマチ、皮膚疾患、泌尿器系疾患などに使用されてきました。