2013年6月12日水曜日

道端の薬草(6) オオバコ




 以前にもご紹介したオオバコです。西公園の空地で撮影しました。
 オオバコ(大葉子、Plantago asiatica)はオオバコ科オオバコ属の多年草です。日本各地および千島、サハリン、中国、台湾、東シベリア、マレーシアに分布し、草地にごく普通に見られます。
 オオバコは人の暮らしと密接に関係する植物で方言もたくさんあり、民俗的な事柄もたくさんあります。野外植物民俗事苑には、”葉は食用にもなる。若葉はよく煮て佃煮にしたり肉といっしょに油炒めに

 花期の全草を乾燥したものを車前草(しゃぜんそう)、成熟種子を車前子(しゃぜんし)といい日本薬局方に収録された生薬です。
 牧野和漢薬草大図鑑には、【薬効と薬理】として以下のように記載されています。
”プランタギンは呼吸中枢に作用して呼吸運動を緩慢にして、顕著な鎮咳効果があるほか、分泌神経を興奮させて気管、気管支の分布を増加させる。またカリウム塩による利尿作用もあり、鎮咳、去痰、消炎、利尿薬として用いられる。また最近胃カタル、十二指腸潰瘍、動脈硬化に効果があるとして注目されている。"

 西欧でもさまざまなオオバコ属の植物の葉や種子が薬用に使用されています。
英国王立園芸協会のハーブ大百科には代表的な植物として、上記Plantago asiatica(オオバコ、アジアンプランテーン)、Plantago major(セイヨウオオバコ、オニオオバコ、クレーターブランテーン)、Plantago psyllium(スパニッシュサイリウム、ヘラオオバコ)の3種が記載されており、同様の使用がなされています。

                          記 阿部俊暢

参考資料
*牧野和漢薬草大図鑑
*英国王立園芸協会 ハーブ大百科
*野外植物民俗事苑

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