2013年5月18日土曜日

道端の薬草(1)ヘビイチゴ?

2013年5月14日 撮影場所:仙台市西公園 撮影者 阿部俊暢

 仙台市西公園で撮影しました。ヘビイチゴだと思います。
 ヘビイチゴ(蛇苺、学名:Potentilla hebiichigo)は、バラ科キジムロ属の多年草です。語源についてはヘビが食べるイチゴ、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからなど諸説あります。毒があるという俗説がありますが、無毒です。以前はヘビイチゴ属に分類されDuchesnea chrysanthaと呼ばれていたため、多くの文献にはまだその名で記載されています。
 畦道や野原などに自生し、日本全土に広く分布しています初夏より葉のわきから顔を出すように黄色い花を付けます。。花期は4月から6月です。果実は表面に粒粒のある赤色で球形、イチゴに多少似たものがなります。毒は含まれていませんが、あまり味が無いため食用としては好まれなません。 
 牧野和漢薬草大図鑑には、全草が<蛇苺(ジャバイ)>の名で掲載されています。”解熱、通経、咳止めなどに用いる”と記載されています。使用はあまり一般的ではないようです。
 中国では、<蛇苺(ジャバイ)>は近縁種のヤブヘビイチゴ(Duchesnea indica)を指します。日本でも関東以西に自生していますが、ヘビイチゴより大型なのが特徴です。こちらは広く使用されているようです。牧野和漢薬草大図鑑には、”解熱、通経、黄疸をなおす。またのどの痛みなどにもうがい薬として外用する。現代の中国では、単味あるいは他の生薬と配合して、各種癌の用いているという。”と記載されています。
 ネット上にも癌治療に使用されているとの記載があります。エキスの特許も出願されています。
                           記 阿部俊暢 


2013年5月15日水曜日

新緑の定禅寺通り(1) キリシマツツジ?

仙台市勾当台公園 撮影者 阿部俊暢
勾当台公園には何種類かのツツジが植えられていて、新緑のこの季節次々に花を咲かせます。写真はキリシマツツジだと思われます。花が小振りなのが特徴です。
 キリシマツツジ(学名:Rhododendron × obtusum )は、別名キリシマ、ホンキリシマ、サタツツジなどともいわれます。九州に自生するヤマツツジ(山躑躅)とミヤマキリシマ(深山霧島)との交配種で、 江戸時代の寛永年間(1624~1644)に、薩摩で作出されたと言われています。たくさんの園芸品種があります。

2013年5月11日土曜日

仙台市西公園の春(4) カラスノエンドウ?

撮影場所:仙台市西公園、2013年4月29日 撮影者:阿部俊暢

 西公園で撮影しました。カラスノエンドウだと思います。本州から四国・九州・沖縄の路傍や堤防などのいたるところにごく普通に生育している雑草ですが、よく見るとなかなか味のある花です。
 カラスノエンドウ(Vicia sativa subsp. nigra)は、マメ科ソラマメ属の越年草です。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名ですが、カラスノエンドウという名が一般には定着しています。
 秋に発芽し、春になると高さ60 - 150cmに達します。花期は3 - 6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花を付けます。
 野草料理の食材として使用可能なようで、ネット上には、若芽や、若い豆果、熟した豆を使ったレシピが見られます。カラスノエンドウ茶はネット通販で購入もできます。
 薬草としても使用されてきた歴史があり、牧野和漢薬草大図鑑には、以下のように記載されています。
 使用部位:全草および種子(ギョウヨウ)。
 薬効と薬理:黄疸、浮腫、マラリア、鼻出血、月経不順を治す作用があり、また浮腫にも用いられ、1.5〜3gを煎じて服用する。

2013年5月8日水曜日

勾当台公園の新緑 谷風像とヨドガワツツジ


 宮城県庁前の勾当台公園で撮影しました。新緑の中にツツジの花が満開です。
 銅像は江戸時代の大相撲の大横綱”谷風梶之助”です。谷風 梶之助(たにかぜ かじのすけ、1750年9月8日 - 1795年2月27日)は、仙台藩・陸奥国宮城郡霞目村(現・宮城県仙台市若林区霞目)出身で、江戸時代の伝説の大横綱です。
 ツツジはヨドガワツツジと思われます。

ヨドガワツツジ(学名:Rhododendron yedoense var. yedoense:別名:ボタンツツジ(牡丹躑躅)は、チョウセンヤマツツジ(朝鮮山躑躅)の雄しべが弁化して八重咲きとなったものです。古くから栽培されていて,朝鮮には自生しているそうです。勾当台公園には何本も植えられてこの季節は鮮やかなピンクの花が見事です。


2013年5月4日土曜日

仙台市西公園の春(3)オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ 仙台市西公園 2013年4月29日 阿部俊暢
西公園で撮影しました。公園の脇の草むらに群生していました。

 オオイヌノフグリ(学名 Veronica persica)はゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草、路傍や畑の畦道などに見られる雑草です。ヨーロッパ原産で、アジア(日本を含む)、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種(帰化植物)として定着しています。日本では全国に広がっていますが、最初に確認されたのはのは1887年の東京であるといわれています。
 早春にコバルトブルーの花をつけます。普通はあまり気に留めることもありませんが、よく見ると非常に可憐で美しい花です。
 クワガタソウ(Veronica:ベロニカ)属の植物は、主に青い花の咲く多年草、灌木約250種類が、ヨーロッパ、北米、アジアの温帯地域に分布しています。ヨーロッパでは園芸用としてさまざまな種類が利用されています。スピードウエル(ベロニカ)は中世ヨーロッパでは一般的な治療用ハーブでした。

参考資料
* 英国王立園芸協会 ハーブ大百科

2013年5月1日水曜日

定禅寺通りの春(5) ミツバツツジ?


勾当台公園 2013年4月17日 撮影:阿部俊暢

ミツバツツジ?の1種だと思います。勾当台公園で撮影しました。何本か植えられており満開で見事です。
 ミツバツツジ(学名:Rhododendron dilatatum)はツツジ科ツツジ属の落葉低木です。また、近縁のミツバツツジ類の総称です。ミツバツツジ類は、4-5月頃に紅紫色の花が咲きます。花が終わってから葉が出て、枝先に三枚の葉がつくことからこの名がついたといわれています。 関東地方から近畿地方東部の太平洋側に分布し、主にやせた尾根や岩場、里山の雑木林などに生育していると、ネットにはあります。
 ミツバツツジはの変種が多く、トサノミツバツツジ、ハヤトミツバツツジ、ヒダカミツバツツジなどがあります。その他、ミツバツツジと名がつく日本に自生するその他のツツジ類には、トウゴクミツバツツジやサイコクミツバツツジ、コバノミツバツツジ、ダイセンミツバツツジ、ユキグニミツバツツジ、キヨスミミツバツツジなどがあります。ミツバツツジは関東以北に生育するとありますので、近縁種のトウゴクミツバツツジかもしれません。トウゴクミツバツツジはよくご紹介する青葉山の東北大学植物園でもたくさんみられます。
 庭先などでもよく見る事ができますが、盗掘などにより野生の個体数はけっして多くないとの記述があります。

 ツツジ属の植物には毒性もつものが知られていますが、日本に自生しているツツジ属の植物ではレンゲツツジ(Rhododendron japonicumn)1種だけのようです。その他のツツジの毒性についての資料は見つけることがレンゲツツジはまた薬用としても利用されている歴史があり、牧野和漢薬草大図鑑にも記載されています。
 ツツジの花を上手に採ると花片の下から蜜を吸うことができ、昔は子供の遊びでしたが、レンゲツツジには致死性になりうる毒があり、庭木としても利用されることもあるので注意しなければなりません。

参考資料
*フリー百科事典ウイキペデイア日本語版
*牧野和漢薬草大図鑑
*木のメモ帳Web

2013年4月27日土曜日

定禅寺通りの春(4) タンポポ


2013年4月17日 勾当台公園 撮影:阿部俊暢

勾当台公園の噴水脇で撮影しました。萼の形などから多分西洋タンポポだと思います。

1.タンポポ
タンポポは、キク科タンポポ属(Taraxacum)の総称です。
タンポポ属は、多年草約60種類が、北半球と南半球に分布しています。英語名はダンデイライオン。フランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド=リオンに由来するが、これはギザギザした歯がライオンの牙を連想させることによります。特にフランスでは野菜として栽培されており、19世紀には品種改良が行われました。
 日本には古来から生育していた在来種と、外来種が生育していますが、一般的に見られるのは外来種のセイヨウタンポポ(Taraxacum officinal)です。セイヨウタンポポは、明治初期に北海道にサラダ菜として導入したものが繁殖したものともいわれています。
 ワタンポポ(在来種)は代表的なカントウタンポポ(アズマタンポポ:Taraxacum platycarpum)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonikumu)、シロバナタンポポ(Taraxacum albidum)など、地方により多くの種類があります。


2.タンポポの利用
 セイヨウタンポポの葉は古くからヨーロッパや中東で食用として利用されており、多少の苦味があるが、サラダなどにします。英国王立園芸協会のハーブ大百科には、”生の葉は普通湯通ししてサラダにするか、ホウレンソウのように料理する(酸味のある野菜と混ぜることが多い)。花びらはワインにする。葉と根はハーブビールの香味料に使用する。”と記載されています。最近はタンポポの根を炒ったもが、ノンカフェインのヘルシーコーヒーとして人気です。


3.タンポポの薬用利用
 タンポポは、肝胆道の症状の治療に多くの医療システムで伝統的な使用の長い歴史を持っています。 根は伝統的に肝臓や脾臓の病気治療に使用されています。アラビアの伝統医学での使用は、最初は西暦十世紀に記載されています。 タンポポの根は、 米国国民医薬品集で以前は公式であった歴史があり、現在でも 、オーストリアとチェコ共和国の国家薬局方、また、 アーユルヴェーダ薬局方、英国ハーブ薬局方、英国ハーブ大要、ドイツコーデックス薬局方、ドイツ標準ライセンス、およびコミッションEなどで公式です。

 北米先住民の医学でも、腎臓病、水腫、および皮膚病症状、胸焼けを治療するため、血の強壮剤、消化不良の治療根の浸剤、胃の痛みの治療などのために様々な部族により使用されてきました。
 漢方では、全草は蒲公英(ホコウエイ)、根は蒲公根(ホコウコン)という生薬で、健胃、利尿、催乳などで使用されています。牧野和漢薬草大図鑑には、生薬名蒲公英(ホコウエイ)で、カントウタンポポ、カンサイタンポポ、シロバナタンポポ、モウコタンポポ(中国産)、セイヨウタンポポの5種類が記載されています。


参考資料
フリー百科事典『ウイキペデイア(Wikpedia)』
英国王立園芸協会 ハーブ大百科
牧野和漢薬草大図鑑
ABC(アメリカ植物評議会)Web