2020年2月11日火曜日

蔵王の日帰り温泉:寿の湯

蔵王遠刈田温泉 壽の湯
今回も蔵王遠刈田温泉の日帰り温泉の紹介です。前回はリゾートホテルの温泉を紹介しましたが、今回は町の共同浴場の紹介です。
 壽(寿)の湯は遠刈田に二つある共同浴場のうちの一つです。浴場のサイト(http://toogattaspa.jp/index.html)によれば、建物は宮大工の手による建築で、江戸時代の湯小屋を再現したものだそうです。

浴場の前より神の湯を望む

 県道12号白石上山線を蔵王エコーライン方面に走行し、遠刈田の町に入るとすぐ左側にあります。浴場の前に数台とめられる駐車スペースもあります。バスで来るには仙台駅前から出ている遠刈田温泉行きに乗り、終点の遠刈田温泉で降りると目の前がもう一つの共同浴場神の湯で、そこから50mくらいです。
 入り口は銭湯と同じで男女別です。入ると番台があり入浴料330円を支払います。そこから靴を脱いで入るとすぐ脱衣所で、小さいですが貴重品預け入れのロッカー(100円入れて後戻ってくるタイプ)のロッカーもあります。
 仄暗い浴場の中の細長い浴槽には茶褐色の熱め湯が満々と溢れており、昔の共同浴場の風情が漂います。泉質は他の遠刈田温泉の浴場と同じナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉です。お湯は熱めなので、温度に慣れていない人は休みながら徐々にならしていくとよいでしょう。
 共同浴場なので備え付けのせっけんやシャンプーはありません。事前に準備していきましょう。1月の定期券もあるせいか、お客さんは地元の方が多いようです。古き共同浴場の風情を楽しみたい方には特にオススメです。






2020年1月26日日曜日

蔵王の日帰り温泉とエコーラインの大鳥居

蔵王エコーラインの大鳥居

 冬といえば温泉と雪でしょうか。1/18日に蔵王の遠刈田温泉の日帰り温泉に行ってきました。遠刈田温泉の温泉街を抜けて車で10分ほど走ると、蔵王エコーラインの大鳥居が見えてきます。いつもはエコーラインへの車で混雑する場所ですが、今は冬季閉鎖期間中のため通過する車もほとんどなく静かでした。
ルルブモールサイトの情報によれば、この地点はかつて蔵王大権現への参詣路にあった弐の鳥居があった場所で、昭和37年(1962)の蔵王エコーライン開通を記念して昭和44年(1969)にこの大鳥居が建てられたとのことです。
供養塔と歌碑
歌碑の解説
いつもは通過するだけなのですが、今回は写真撮影のために傍らの空き地に車を止めてみたら、大鳥居の傍らには歌碑と供養碑が建っていました。
 右側の歌碑は、宮中歌会選者でもあった歌人の香川進がこの地を訪れ蔵王の大きさに魅せられて読んだ歌を記念した歌碑であると記載されていました。
 左の苔蒸した碑は寛政6(1794)年に壱の鳥居を建てたときの供養碑のようです。おそらくは蔵王エコーライン建設による壱の鳥居の撤去に伴ってこの場所に移されたと思われます。ネット上で調べてみましたが詳しくはわかりませんでした。
 今は車で簡単に行ける蔵王山ですが、今でも霊山であり、まさにここは霊山蔵王の入口なのだと実感しました。
アクテイブリゾーツ宮城蔵王
 さて、今回ご紹介の立ち寄り湯は、アクテイブリゾーツ宮城蔵王(旧蔵王ロイヤルホテル)です。事前に確認したWebサイト(https://www.daiwaresort.jp/zaou/index.html)では、日帰り入浴は12時〜21時、料金は一人1000円となっていました。入口を入ると広いロビーがあり、入浴用の券売機がありました。JAFの会員はカードを提示すると半額になるとのことで、フロントの女性の方が丁寧に教えてくれて思わぬ得した気分になりました。
 浴室は広々としていており、大きな浴槽とサウナ、屋外にも2つの浴槽があり、ゆっくりとリラックスすることができました。泉質は遠刈田の温泉街の茶色の湯とは違って透明で優しい肌触りでした。また、ホテルのレストランでランチを食べることもできます。シーズンオフのため宿泊客も少なく静かでゆっくりすることができました。
 遠刈田温泉の公衆浴場のいかにも温泉という感じもいいが、ゆったりしたリゾートホテルもまたいいなと感じた1日でした。



2020年1月5日日曜日

新年おめでとうございます。



 ちょっと遅くなしましたが、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今年も元旦には蔵王町遠刈田温泉にある刈田嶺神社(里宮)にお参りしてきました。今年は暖冬傾向か雪もなく穏やかな1日でした。お参りの後今年は、遠刈田温泉旅館の旅館三治郎で、日帰り入浴を楽しみました。



 入浴料 は大人一人1000円とちょっと高めでしたが、2時間まで広間で休憩でき食事どころで食事するとさらに2時間まで延長されます。旅館は高台に位置しているので、広々した大浴場からは蔵王連峰や遠刈田の街が一望できます。露天風呂も併設されており蔵王の空気を感じることもきます。。温泉は昨年紹介した公衆浴場の神の湯などと同じ熱めの茶褐色の泉質で、入浴すると体にしみわたり体がポカポカ温まる感じでした。また、宿泊客とは別の日帰り入浴客専用の大浴場のため、入浴客も少なめでゆっくり温泉を楽しむことができました。
 静かな温泉でちょっとゆっくりしたい方にオススメです。旅館三治郎のWebページをリンクしておきます。http://www.sanjirou.co.jp

2019年5月1日水曜日

スミレとタチツボスミレ

スミレは、万葉集にも記載があるように、タンポポやレンゲソウとならんで日本の春を代表する野草です。一般的にはスミレとはスミレ属の植物の総称ですが、狭義には、スミレ(Viola mandshurica) 種を指します。スミレ属は世界の温帯に約400種、日本には約50種が存在しています。その他、地方変異やさまざまな変異があり、非常に多くの変種や品種が知られています。園芸用に栽培されているものも多数あり、パンジーもその一つです。
 上の写真は蔵王の農場で撮影したスミレ(Viola mandshurica)です。深い紫(菫色)の花とちょっと矢じり型の丸い葉が特徴です。一般的に最も多く見られるスミレ種はタチツボスミレ(Viola grypoceras)で、ここでも群生していますが(下写真)、そこからポツンと離れて一輪だけ咲いていました。

 スミレは食用や薬用としても用いられます。山菜として、花の二杯酢、葉の和え物、浸し物、煮物、天ぷら、スミレ飯などがあります。薬用としては、お茶にして飲む民間療法が伝わっています。また、新鮮な葉をよくもんで傷口や腫れものに貼ると、解毒や腫れをとる効果もあるとされています。牧野和漢薬草大図鑑にも、”各種の腫物などに使用される”と記載されています。


 

2019年1月13日日曜日

遠刈田温泉

 前回紹介した神の湯の足湯がある遠刈田温泉(とおがったおんせん)は、宮城県刈田郡蔵王町にある温泉です。車で行くには、東北自動車道を村田インターチェンジでおりて、県道25号線と県道12号線を経由して蔵王エコーライン方向に進むと、約20分ほどで遠刈田温泉に到着です。仙台からは約1時間ほどなので、日帰り温泉としても魅力的です。


 温泉発祥は今から400年ほど前とされていますが、岩崎山の金を掘って財を成した金売橘次(源義経を奥州平泉に連れて行った人物として有名)が霊泉を発見したのが始まりとの伝承があります。江戸時代からは、蔵王連峰・刈田岳山頂にある蔵王権現(現在の刈田嶺神社(奥宮))への講中登山の宿場町あるいは湯治場として賑わったようです。上の写真は県道12号線沿いにある温泉街の写真です。何軒か旅館やホテルがあり、その他公衆浴場も2件あります。日帰り入浴できる宿もあります。その他エコーラインや、烏帽子スキー場に向かう経路上に、何軒かホテルや旅館が点在しています。旅番組で取り上げられるような有名旅館もあります。
 車で蔵王エコーラインに向かう場合は、一瞬で通りすぎるためあまり温泉情緒を感じませんが、一度、途中で駐車場(無料駐車場もあります。)に車を止めて、立ち寄り入浴や街の散策をしてみることをおすすめします。

2019年1月6日日曜日

新年おめでとうございます。


新年おめでとうございます。今年は頑張って身近な植物や、蔵王近辺のお役に立てる情報をご紹介できればと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
 上の写真は、元旦にお参りした蔵王町遠刈田温泉にある刈田嶺神社(里宮)の写真です。昨年も紹介しましたが、刈田嶺神社は、刈田岳山頂にある奥宮とこの里宮が一対となっており、御神体は夏季は奥宮、冬季は里宮を季節遷宮しています。
 「蔵王連峰」の "蔵王" は、かつて両宮が祀っていた蔵王権現に由来しています。写真の大鳥居にも蔵王大権現の名が記載されていました。
 神社は遠刈田温泉の中にあり、隣は共同浴場の神の湯です。隣には無料の足湯も併設されています。お湯は無色透明でかなり熱めです。


2018年6月12日火曜日

ドウダンの森のサラサドウダン


 6月9日に訪れた南蔵王のドウダンの森のサラサドウダンです。平年は6月中頃が満開とのことですが、今年は春先から暖かい日が多かったせいか花はもうあまり残っていませんでした。サラサドウダンはツツジ科ドウダン属の低木です。よく家庭で植えられている真っ赤に紅葉するドウダンツツジの近縁種です。北海道西南部、本州全域、四国の徳島県に分布し、ドウダンツツジと違って、より深山の冷涼な岩地に生育しています。小さな釣鐘状の可憐な花は、先端が淡紅色で、下部は黄白色で紅色の縦条が入っているのが特徴です。


 ドウダンの森は、蔵王連峰のうち、宮城県側の南蔵王の不忘山の山麓にあります。宮城蔵王の遠刈田温泉から車で約20分程のところです。蔵王連峰も、エコーラインの通る刈田岳など中央蔵王は観光客で賑やかですが、南蔵王は訪れる人も少なく静かです。不忘山は花の山として知られており、「NHK版 花の百名山」(山と溪谷社、1996年)と「決定版 花の百名山」(山と溪谷社、2002年)にも選定されています。確かビデオでは、サラサドウダンも取り上げられていたように記憶しています。
 訪れた日は、園の駐車場には車が一台もなく静かでした。ただセミの鳴き声のようなものが静寂を破ってこだましていました。帰って調べてみると、エゾハルゼミの鳴き声でした。そういえば、先日行った蔵王エコーラインの中腹でもうるさいくらいに鳴いていました。園地に入ると、カジカガエルの鳴き声も聞くことができました。