2019年5月1日水曜日

スミレとタチツボスミレ

スミレは、万葉集にも記載があるように、タンポポやレンゲソウとならんで日本の春を代表する野草です。一般的にはスミレとはスミレ属の植物の総称ですが、狭義には、スミレ(Viola mandshurica) 種を指します。スミレ属は世界の温帯に約400種、日本には約50種が存在しています。その他、地方変異やさまざまな変異があり、非常に多くの変種や品種が知られています。園芸用に栽培されているものも多数あり、パンジーもその一つです。
 上の写真は蔵王の農場で撮影したスミレ(Viola mandshurica)です。深い紫(菫色)の花とちょっと矢じり型の丸い葉が特徴です。一般的に最も多く見られるスミレ種はタチツボスミレ(Viola grypoceras)で、ここでも群生していますが(下写真)、そこからポツンと離れて一輪だけ咲いていました。

 スミレは食用や薬用としても用いられます。山菜として、花の二杯酢、葉の和え物、浸し物、煮物、天ぷら、スミレ飯などがあります。薬用としては、お茶にして飲む民間療法が伝わっています。また、新鮮な葉をよくもんで傷口や腫れものに貼ると、解毒や腫れをとる効果もあるとされています。牧野和漢薬草大図鑑にも、”各種の腫物などに使用される”と記載されています。